コラム:IP-1Dとピノキオ 〜何故ピノキオを選んだか?〜
最終更新日:1998/11/18


◎ピノキオを買うまで
8月上旬、夏に帝都遠征した時、魔術師☆きゃん(以下きゃん)には一つの大きな目的があった。それはPDA端末を購入して外でもPCを使わずにメールのチェックを行なうためだ。PCを購入後、彼はPHSを使うようになってからどこにいても連絡が取れるようになってきたが、メールで連絡が取れないことに不便を感じるようになっていた。NC13Dを購入したら問題解決かと思われたが、実際には常時1.2kg+αという重さが意外と堪えたことと、どこにいてもメールチェックできる訳ではなかったことが不満を大きくした。「どこでもメールチェックしたい」今思えば誰もが抱いていた希望を彼も持っていたのだ。

伏線はあった。3月の春の遠征時、 一つの形を指し示されていたのだ。
それは帝都でお会いしたRodoさんが持っていたピノキオに惹かれたこと。どこにいてもさりげなくメールやWebのチェックができ、 かつ必要によっては返信も可能。きゃんはこの使い方にNC13Dだと作業が終わるまで開いておかなければいけなかったのが馬鹿らしく感じた。事実、彼は以後NC13Dを常時持ち歩くことはなくなる。徘徊時に価格のチェックも行なったが、当時は「その為の出費」に躊躇、断念してしまった。夏の遠征時にPHSにしては珍しく5ヶ月間価格の変らなかったピノキオを見て、きゃんは早期に買わなかった事を後悔している。

B 札幌に戻ってから2ヶ月後、6月にひょんなことから551Sを入手することになる。詳細はきゃんの評価を見ていただくとして、 「外でもメールをチェックする」という目的は達せられた。 だが、満足しつつ一度パルディオEメールのアドレスへ転送しなければならない事と、Webのチェックができない事に何か物足りなさを感じていた。

そして夏の遠征。この時には再度悩むことになる。そう、IP-1Dの登場だ。当時はきゃんの遠征中に発売される見通しは薄いと思われていたのだが、予想に反して8月の初めには家電店のPHSコーナーに並んでいた。IP-1DはそのコンセプトからピノキオやGENIOに近く、価格も25,000円〜30,000円と拮抗する値段だったのだ。ここできゃんは再び迷った。この手のマシンは基本的に登場時期が新しい程性能も上がっており、以前の機種の欠点も解消される方向にある。するとIP-1Dを買っておいた方が無難かと思われたのだが、当初はWebはパルディオネットサーフィン、またメールチェックはパルディオEメールしか使えないという疑念があった。551Sの先例もあって調べたいのだが、WebやNIFTYを見てもIP-1DのReportはなく、双方カタログ中のイメージ先行の貧弱な機能説明やWebから比較するしかなかったのだ。オノデンでは取り寄せ扱いになっていたのですぐに買うことはできず、Web通販では全く見かけない。帝都には1週間程度の滞在予定であったので、少ない情報の中から短期間で決断するしかなかったのだ。

困っていた所に一つ朗報が入る。
こーいちさんがIP-1Dを購入したのだ。すぐに連絡を取って実際に触らせてもらうこととなった。丁度Rodoさんともお会いすることができて実機比較することが出来、その結果ピノキオを選んだのだった。善は急げ、とばかりにそのまま購入した。


◎何が決め手だったか


IP-1Dが予想以上に動作が不安定だった事
バグが多かった事ですね。数千円程度の端末を買うならともかく、25,000円ですからねぇ。またプロバイダによってPIAFS-APが動作不安定で使えなかったというのも大きいです。

電池の持ち(ピノキオのおよそ1/3)
毎日充電できればともかく、そうでない場合が多いことと、電池の容量の割にピノキオより10gしか軽くないというのが大きかったです。10g重い位なら電池が持つ方がいい、と。

通話が巻き取り式イヤホンマイクを使うこと
これみてまず思ったのは「壊したら高くつきそう」ということ。

バックライトがない
外出時に使うことが多く、その中には夜行列車や夜のドライブも十分に考えられたのでバックライトがついていないのは結構痛いですね。

反面、反応速度の速さ(ピノキオは「一瞬」待つ)や凹凸の少ないデザイン、ピノキオより「新しい」ということにはひかれました。ただ、この手のマシンは使えてなんぼということでピノキオを選びました。


◎今後のPDA端末に必要とされる物
この手の端末ではコンセプトを明確にすることが大切です。PDAって重量や価格などの制限で何でも詰め込むことができないので、「なにをやるための機械か」を絞って欲しいですね。極端な話、Web巡回出来るほどきちんとした画面を持つ端末は「通話はイヤホンマイク限定」でもよいかと。また、PCとのデータリンクやいつでも最新の機能を取り込めるようにファームのver.upができることは勿論の事、電池が長持ちすることやバックライトが付いていることも色んな場所で使えるためには必要ですね。

あとは制作者やモニターの人たちが自分で普段の生活の中で使ってみるということも大切でしょう。現在発売されている端末では「誰が使うのかわからない」機能を結構散見します。そうでないと使いづらいままですから。あと、耐久性。これには外装も入ります。見かけは豪華でも使っている内に塗装が剥げるようでは末長く使えません。

最後に、軽くしてください。カタログではザウルスMI310+341Sの組合わせでお姉さんが片手で持ち、もう片方でペンを持って快適そうに操作している写真が載っていますが、無理です。左手が吊ります。私のメドは150gだと思っています。ピノキオの250gでも立ちながら操作するにはちょっと重いです。

これだけきちんとしていれば(あとはVAIOのようにCMがうまければ)売れると思うんだけどなぁ。

◎ピノキオ、その後

外出時は毎日使っています。 バスや電車の暇な時間にできる選択肢が増えたことがなにより大きいですね。寝るもよし、読書もよし・・・でも、ここでメールのチェックや簡単なお返事も書ける。これってすごく便利だったりします(^^)


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